コロナウイルスはコロナウイルス科に属し、遺伝学的特徴からα、β、γ、δのグループに分類され、通常αとβは哺乳類に、γとδは鳥および魚に感染します。犬の下痢を引き起こすコロナウイルスと猫伝染性腹膜炎(FIP)の原因になるコロナウイルスはいずれもαコロナウイルスに属します。現在、世界的に問題になっている新型コロナウイルスはβコロナウイルスに属します。また、中東呼吸器症候群(MERS)や重症急性呼吸器症候群(SARS)もβコロナウイルスです。

Q1:新型コロナウイルスはペットに感染するのか?

A1:感染する可能性があります。2020年2月下旬に香港にて飼い犬が低レベルの感染を引き起こしたとの報道があり、香港漁農自然護理署(AFCD)は「低レベルの感染」をしたと結論づけました。同時にこの所見は大学や国際獣疫事務局(OIE)の専門家たちによっても確認され、「人間から動物への感染例の可能性が高い」とされました。

関連情報:http://www.jbvp.org/

 

Q2:具合が悪いときにはペットとの接触を避けるべきか?

A2:具合の悪いときにはペットとの接触は控えるべきです。感染からペットを守るために、より詳しいことが分かるまでは動物との接触を避けるべきですが、動物に近づかなければならない時やペットをケアしなければならない時にはマスクを装着するべきです。

Q3:犬コロナウイルスワクチンは新型コロナウイルスの予防になるか?

A3:犬コロナウイルスのワクチンは腸管コロナウイルス感染症に対しては有効ですが、呼吸器感染症に対しては承認されていない上、有効性があることは確認されていません。腸管および呼吸器のコロナウイルスは明らかに異なる変異株です。現在、犬の呼吸器コロナウイルス感染症に対する利用可能なワクチンは存在しません。